ホワイトニングの「自然な白さ」とは?歯が白くなる仕組み

ホワイトニングをしたいと思っていても、歯が白くなりすぎると違和感があるという方も多いかと思います。中には、「自然な白さ」ってどれくらい?ホワイトニングを行うと芸能人のように真っ白になるの?という疑問があるかもしれません。 こちらの記事では、ホワイトニングの「自然な白さ」はどれくらいなのか、歯が白くなる仕組みについて詳しく解説していきます。


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ホワイトニングの「自然な白さ」ってどれくらい?

ホワイトニングを行う際には、歯の白さをS2~S40までの数値を表したシェードガイドという歯の色のサンプルを用いて歯の色を測定します。

日本人の平均的な歯の白さは、このシェードガイドでいうとS30~S32といわれています。

数値の目安は、以下のとおりです。

・S12以下は、白い印象を与える
・S14~S30は歯の色に違和感がない
・S32以上は歯が黄色いという印象を与える

このように、日本人の歯は少し黄色みがある白さの方が多いです。一般的にホワイトニングでは、S12~S14程度の自然な白さを目指します。

また、ホワイトニングでS12~S14程度の自然な白さよりも白くすることは可能ですが、芸能人のように真っ白い歯は、ラミネートべニアやセラミックを被せる方法を行っていることが多いです。

ラミネートべニアやセラミックは、健康な歯を削って行うため、コストもかかる上に歯の寿命が短くなってしまいます。

歯の健康のためにも、これらの方法はおすすめしていない歯科医院が多いです。

ホワイトニングで歯が白くなる仕組み

ホワイトニングでなぜ歯が白くなるの?と疑問に思う方は多いかと思いますが、歯が白くなる仕組みは、薬剤の2つの効果によるものです。

色素が無色透明に分解される

ホワイトニングの薬剤で使用される過酸化水素や過酸化尿素は、歯の表面のエナメル質に付着したステインなどの汚れを分解し、無色透明にする働きがあります。

これを「ブリーチング効果」といい、歯が白く見える理由のひとつです。

エナメル質の構造を変える

歯はエナメル質→象牙質→歯髄の3構造から成り立っています。

エナメル質の下の層にある象牙質は黄色っぽい色をしているため、エナメル質が薄くなるとその色が透けて歯が黄ばんで見えることがあります。

さらに、象牙質は年齢を重ねるにつれて色が濃くなる傾向にあります。歳を取ってから歯が黄ばんで見えるようになってきたという方が多いのはこのためです。

「ブリーチング効果」で歯の表面を無色透明にすることができても、象牙質まで漂白することは困難とされています。

しかし、過酸化水素や過酸化尿素がエナメル質の構造をすりガラス状に変化させ、光を乱反射させることによって象牙質の色を見えなくすることが可能です。これを「マスキング効果」といいます。

ホワイトニングでは、これらの「ブリーチング効果」と「マスキング効果」によって歯が白く見えるという仕組みになっています。

ホワイトニングで自然な白さを保つには?

個人差はありますが、ホワイトニングの持続期間はオフィスホワイトニングで3~6ヶ月、ホームホワイトニングで6~12ヶ月程といわれています。

また、食生活によっては、ホワイトニングをしても着色汚れの付着や色戻りが起こることがあります。ホワイトニング後に自然な白さを保つには、以下の方法がおすすめです。

歯科医院で定期的なメンテナンスを行う

ホワイトニング後の歯の白さは永久に続く訳ではありません。そのため、定期的に歯科医院でのクリーニングとホワイトニングを行うことによって、白さを維持することができます。

また、歯科医院で定期的なメンテナンスを行うことは、虫歯予防や歯周病予防にもつながります。

飲食後は口をゆすぐ

着色しやすい飲食物の過剰摂取はホワイトニングの妨げとなってしまいます。着色汚れの原因となってしまいやすい飲食物には以下のようなものがあります。

・カレー
・コーヒー
・チョコレート
・紅茶
・赤ワイン
・コーラ

ホワイトニング中は上記のものを飲食するのは控えたほうがいいでしょう。しかし、飲食後に歯磨きやお口をゆすぐことで、汚れを定着しづらくすることができます。

また、喫煙もホワイトニングの妨げとなってしまうため注意が必要です。

ホワイトニング歯磨き粉を使用する

自然な白さを保つためには、ホワイトニング歯磨き粉を使用することもおすすめです。
普段の歯磨きでホワイトニング歯磨き粉を使用することによって、汚れやステインの付着を予防することができます。

ホワイトニング歯磨き粉にはさまざまな種類がありますが、歯に優しくお口の健康を維持できるものが良いでしょう。

ホワイトニング歯磨き粉には、研磨剤が使用されているものが多いですが、歯の表面を傷つけてしまい、知覚過敏を起こす恐れもあるため、あまりおすすめはできません。使用するなら、無配合のものか低研磨性のものを選びましょう。

まとめ

歯科医院でホワイトニングを行う際は、シェードガイドを用いて自分の理想の色を目指すことができます。しっかりと相談しながら施術を行うため、想定以上に白くなりすぎるということは、ほとんどありません。

ホワイトニングの効果には個人差がありますが、基本的には歯本来の自然な白さにすることが可能です。上記でも説明したように、ホワイトニング後の白さは永久ではありません。

歯科医院での定期的なメンテナンスはもちろんのこと、ホワイトニング歯磨き粉と並行することでより持続効果を得ることもできます。

また、着色汚れや色戻りを避けるためにも、まずは普段の生活を見直してできることからやってみましょう。

 

【この記事の監修医】

帆保 智子 先生

大手医療法人や個人歯科医院などを含め10年以上、歯科衛生士として従事。一般歯科のほか、インプラント治療や矯正治療、審美治療などの専門性の高い分野に長けている。現在は今までの経験を活かして「誰が読んでもわかりやすい、もっと生活が快適になる歯科記事」を多数執筆中。

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