歯に付着している茶渋は落とせる!原因と対策、予防方法も紹介

普段からお茶や紅茶をよく飲んでいると、歯に茶渋が付着することがあります。付着した茶渋は歯磨きをしてもなかなか落ちないので、「どうすれば落とせるのだろう」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 この記事では、歯に茶渋が付着する原因と落とし方を紹介します。予防法も紹介しますので、今後の対策にぜひ参考にしてみてください。


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歯に茶渋が付いてしまう原因・理由

なぜ茶渋は落ちにくいのか、茶渋が歯に付着する原因や、その仕組みについて詳しくみていきましょう。

原因はポリフェノール

歯に付着する茶渋の主な原因は、緑茶や紅茶などの飲み物に含まれるポリフェノールです。

ポリフェノールは植物由来の抗酸化物質で、緑茶(煎茶・玉露)や紅茶、コーヒーなどに多く含まれます。これらの飲み物を日常的に摂取することで、歯の表面に茶渋が形成されやすくなるのです。

一方、ほうじ茶やソバ茶、麦茶、玄米茶などは比較的ポリフェノールが少ないため、歯の着色が起こりにくいといわれています。

茶渋によって歯が着色するプロセスは、下記の通りです。

1.お茶や紅茶からポリフェノールが口に入る
2.ポリフェノールが歯の表面のペリクルに付着する
3.ペリクルとポリフェノールが反応して色素沈着が起こる
4.歯のエナメル質とイオン結合して落ちにくくなる

ペリクルは歯を保護する役割がありますが、同時に着色の原因にもなります。

ペリクルとは

ペリクルとは、歯の表面を覆う無色透明の薄い膜のことです。唾液由来のタンパク質で構成されており、歯を保護する役割を果たしています。ペリクルの主な機能は、酸による歯の脱灰(エナメル質の溶解)を抑制し、再石灰化(歯の修復)を促進することです。

一方でペリクルの欠点は、色素を取り込みやすい性質です。コーヒーやお茶などの飲み物に含まれるポリフェノールが付着しやすく、結果として歯の着色(茶渋)の原因となってしまいます。

ペリクルは通常の歯磨きでは完全な除去はできません。歯を白くしたい場合は、ホワイトニングなどの専門的な処置が必要です。

茶渋を落とす簡単な方法


茶渋が歯に付いたままだと見た目に影響を与えるので、できれば落としたいものですよね。ここでは、歯に付いたしつこい茶渋の落とし方を紹介します。

自宅で行うセルフケア

普通の歯磨きでは落ちない頑固な茶渋も、セルフケアで落とすことが可能です。セルフケアでの落とし方は以下のとおりです。

ホワイトニング成分配合の歯磨き粉を使う

普通の歯磨き粉ではなかなか落ちない茶渋も、ホワイトニング成分配合の歯磨き粉を使うと落ちやすくなります。

ただし、ホワイトニング成分配合の歯磨き粉には研磨剤などが入っていることが多く、強く磨くと歯を傷つけることがあるので注意しましょう。歯を磨くときは、やさしく丁寧に磨くことが大事です。

一度の歯磨きですべての着色汚れを落とそうとするのではなく、毎日の歯磨きで少しずつ汚れを落とすよう、意識しながら行いましょう。

歯専用の消しゴムを使う

歯の表面をこするだけで、茶渋などの汚れを落とせるアイテムもあります。歯磨きでは落ちなかった着色汚れも、歯専用の消しゴムを使うことで落とせるかもしれません。

ただし、歯専用の消しゴムも研磨剤が入っているので、力を入れすぎると歯を傷つけてしまう可能性があります。強くこすらないようにしましょう。

電動歯ブラシ

電動歯ブラシには数多くの種類がありますが、中には着色汚れの除去に適したものもあります。

ステイン除去などの機能が付いた電動歯ブラシを使うと、茶渋などの汚れが落ちやすいのでおすすめです。ただし、振動が強いため研磨剤が入った歯磨き粉を使うと、歯を傷つけることもあります。

歯磨きに電動歯ブラシを使うなら、研磨剤の入っていない歯磨き粉を使いましょう。

自宅でホワイトニング

歯医者で行うオフィスホワイトニングに対して、自宅で行うのがホームホワイトニングです。

ホームホワイトニングは、基本的に歯医者でマウスピースをもらって自宅で行います。マウスピースを作るときと薬剤の処方を受けるときに歯医者に行く必要はありますが、ホワイトニングを自宅でできるため、歯医者へ通う時間のない忙しい人に便利な方法です。

とはいえ、1回につき1~2時間、長いものだと就寝中ずっとマウスピースを装着しないといけないこともあるため、面倒に感じる人も少なくありません。

長時間マウスピースを装着することは難しいと感じる場合や、なかなか忙しくて歯医者へ通えないなど、自分のライフスタイルに応じて、ホワイトニングの方法を決めると良いでしょう。

歯間ブラシ・デンタルフロスを活用する

歯間ブラシやデンタルフロスは、歯と歯の間に溜まった汚れを除去します。歯ブラシだけでは届きにくい部分にも行き届くため、茶渋による着色予防に大きな役割を果たすでしょう。

特に歯間の汚れは長期間放置すると着色の原因となるため、こまめなケアが重要です。

最近では、ホワイトニングケアを目的としたデンタルフロスも登場しています。軽い歯間の着色汚れであれば落とす効果が期待できるため、日々のケアに取り入れることで、歯全体の美しさを保つことができるでしょう。

歯医者の施術(クリーニング・ホワイトニング)

セルフケアで落ちない頑固な茶渋は、歯医者で行うクリーニングホワイトニングで落とすことができるでしょう。

歯のクリーニングでは着色汚れの原因ともなる歯石を除去してもらえるほか、歯の表面を磨いて茶渋などの汚れも落としてもらえます。歯垢や歯石を落とすことで、虫歯予防にもつながるのでおすすめです。

ホワイトニングでは、歯のクリーニングに加えて、歯を白くしてもらえるので、茶渋などの着色汚れのない、綺麗な真っ白な歯が目指せます。健康保険が使えないため高額になりますが、即効性があるのが魅力です。

やってはいけない歯の茶渋の落とし方

茶渋を落とそうと、誤った方法を試みる方もいます。ここでは、歯に悪影響を及ぼす可能性のある危険な落とし方についてみていきましょう。

重曹を使う

重曹には強い研磨作用があり、茶渋だけでなく歯の表面にある大切なエナメル質まで削ってしまう可能性があります。

エナメル質が削れてしまうと、その内側にある象牙質の黄色い色が透けて見えるようになり、かえって歯が黄ばんで見える結果になりかねません。さらに、エナメル質の摩耗は虫歯のリスクも高めます。

一度失われたエナメル質は二度と再生しないため、重曹での歯磨きは避けましょう。

一方で、重曹を使ったうがいは口内を中和し、虫歯予防に効果があるとされています。ただし、うがい後に歯磨きをしないように注意が必要です。

クエン酸を使う

クエン酸は、柑橘系の果物や梅干しなどに含まれる酸味成分として知られています。掃除にも使われる成分で、一部で歯の茶渋除去に使用する方法が紹介されることもあるでしょう。加えて、クエン酸にはアルカリ性の汚れを分解するはたらきがあります。

しかし、クエン酸自体が強い酸性を持ち、歯のエナメル質を溶かしてしまうおそれがあります。エナメル質は歯を保護する重要な層であり、一度失われると再生しません。

クエン酸で歯を磨くと一時的に歯が白く見えることがありますが、長期的には歯の健康を害し、虫歯のリスクを高めてしまいます。

したがって重曹と同様に、クエン酸を使用した歯磨きは避けましょう。

茶渋を予防する方法

歯に茶渋が付くのを予防するためには、ポリフェノールが含まれる飲み物の摂取をできるだけ控えるのが一番です。とはいえ、習慣的に摂取している人は、なかなかやめられないのではないでしょうか。

普段の生活で無理なくできる、歯に付着する茶渋を予防する方法を紹介します。

食後はすぐに口をゆすぐ

お茶や紅茶、コーヒーなどの飲み物を飲んだあとの口の中は、歯にポリフェノールが残りやすい状態です。

茶渋などによる歯の着色を予防するために、ポリフェノールが含まれる飲み物を飲んだ後は、水で口をゆすぎましょう。摂取後すぐにゆすげば、色素沈着を抑えられます。

キシリトールガムを噛み唾液を出す

唾液には、口の中に残った飲食物を洗い流す作用があります。そのため、唾液の分泌を促すことは、歯の着色汚れの予防につながります。

唾液の分泌を促進するには、ガムを噛むのがおすすめです。虫歯の発生が気になる人は、キシリトールガムを選ぶと良いでしょう。

着色汚れを落としやすい歯磨き粉を使う

普段からシリカやポリリン酸といった、着色汚れを落としやすい成分が配合されている歯磨き粉を使うと、茶渋による歯の着色を抑えてくれるでしょう。

歯医者で定期的なメンテナンス

日頃から歯医者で歯のクリーニングを受けることも予防につながります。3ヶ月に1度を目安に受診すると良いでしょう。

歯医者で定期的にメンテナンスをすると、茶渋などによる歯の着色だけでなく、虫歯の予防にもなるのでおすすめです。

まとめ

茶渋が付いて汚れてしまった歯をコンプレックスに感じる人は多いでしょう。見られるのが恥ずかしいと感じて、口元を手で隠してしまったり、笑顔がぎこちなくなったりすることもあるかもしれません。

しかし、茶渋による歯の着色はさまざまな方法で落とすことが可能です。また、歯が着色しないよう、普段から気をつけるべき予防方法もあります。

この記事で紹介した落とし方や予防方法を参考に、気になる茶渋はしっかりと落としてください。茶渋のない綺麗な白い歯を手に入れ、歯の着色などで口元を気にすることなく、思いっきり笑える毎日を送りましょう。