ホワイトニングをしないほうがいい理由は?効果が得られない人の特徴や注意点を解説

美しい歯を手に入れるために、ホワイトニングを検討している方は多いでしょう。しかし「ホワイトニングはしないほうがいい」という情報を耳にして、思い止まっている方もいるのではないでしょうか。 今回は、ホワイトニングをしないほうがいいと言われる理由について解説します。施術が受けられない人や、注意が必要な人についても紹介するのでぜひ参考にしてください。


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「ホワイトニングはしないほうがいい」と言われる理由は?

ここでは、「ホワイトニングはしないほうがいい」と言われる理由について解説します。

歯を傷めるイメージがあるから

ホワイトニングには漂白成分が配合された高濃度の薬剤が使用されているため、「歯のエナメル質が傷つく」という印象をもつ方も多いでしょう。

しかし、歯科医院で適切に使用されているホワイトニング剤であれば、歯を傷める可能性は低いです。

また、ホワイトニングの薬剤によって「歯のエナメル質が溶け、それによって歯が白く見える」といった誤解もあります。

たしかにホワイトニングをすると、一時的な脱灰によって歯の一部が白く濁って見えることがあります。しかし脱灰後は歯の再石灰化が始まり、1~3日ほどで自然に修復されることがほとんどです。

歯がしみることがあるから

ホワイトニングをすると歯がしみたり、痛みを感じたりすることがあります。ホワイトニング剤の効果により外部の刺激が歯の神経に影響を与え、知覚過敏を引き起こしていることが原因です。

また、歯を保護しているペリクルが一時的に剥がれて刺激を受けやすくなっている場合や、虫歯などのすき間から薬剤が入り込み、神経を刺激してしまっている場合も歯がしみることがあります。

ホワイトニングで歯がしみる理由については、下記の記事でも詳しく紹介しています。

ホワイトニングは痛い?しみる?刺激を感じる原因と対処法

歯茎に刺激をもたらすことがあるから

歯科医院でオフィスホワイトニングを行う際は、歯茎や唇にホワイトニング剤がつかないように、あらかじめ保護してから施術をするのが一般的です。

しかしホワイトニング剤が漏れ出たり、保護が不十分だったりした場合、薬剤が歯肉に触れて痛みが出る場合があります。しかし痛みが出たとしても、数日で自然に回復することがほとんどです。

自宅で行うホームホワイトニングも、マウスピースから薬剤が溢れて歯肉に刺激を与える可能性があります。

効果が持続しないから

ホワイトニングの効果は永久的なものではなく、生活習慣が白さの持続期間に影響を与えやすいです。

特に、食事や嗜好品(コーヒーやタバコ)による影響は大きく、着色汚れを放置すると短期間で色戻りしてしまいます。

白い歯を維持するためには、着色予防やこまめなケアを心がけ、定期的にホワイトニングを受ける必要があります。

ホワイトニングをしないほうがいい人もいる?

ここからは、ホワイトニングが受けられない人や、注意が必要な人の特徴を解説します。

ホワイトニングが受けられない人

ホワイトニングでは過酸化水素を用いるため、身体の状態や口腔内の状態によっては悪影響を及ぼす可能性があります。

下記のような方は、基本的にホワイトニング施術が受けられません。

・妊娠中、授乳中の人

妊婦中または授乳中は、ホワイトニング剤が胎児や乳児に悪影響を与える可能性があります。

・無カタラーゼ症の人

無カタラーゼ症は、過酸化水素を分解するための酵素である「カタラーゼ」が先天的に欠損している遺伝疾患です。無カタラーゼ症の方がホワイトニング剤を使用すると、口腔内が腫れたり、口腔壊死を起こしたりする危険性があります。

・光線アレルギーの人

光線アレルギーは、日光やブルーライトなどの光を受けると、かゆみや赤み、炎症などを引き起こすのが特徴です。光(LED)の照射で歯を白くするオフィスホワイトニングや、ホワイトニングサロンは避ける必要があります。

・18歳未満の人

漂白作用のある薬剤が使えるのは基本的に健康な永久歯だけで、乳歯はホワイトニングの対象外となります。そのため、乳歯から大人の歯に完全に生え替わる18歳ごろが、ホワイトニングを始めるのに適した年齢です。

ホワイトニングで注意が必要になる人

ホワイトニングが禁止されているわけではありませんが、避けたほうが良いケースもあります。

下記の方は、ホワイトニングで注意が必要です。

・虫歯や歯周病の人

虫歯や歯周病を患っている場合は、ホワイトニングで使用する薬剤の刺激を受けやすくなっています。口腔内にトラブルがある場合は、治療を終えてから施術を受けましょう。

・知覚過敏の人

知覚過敏の方がホワイトニングを受けると、薬剤によって歯がしみたり、痛みを感じたりすることがあります。保護剤の塗布もできますが、保護剤を塗布した部分は薬剤が浸透しないため色ムラが発生する場合があります。

・嘔吐反射や呼吸器疾患がある人

ホワイトニングの施術時は開口器具やマウスピースを使用するため、嘔吐反射が起こりやすいです。また呼吸器疾患の場合は、ホワイトニング時に発生する微量のガスによって喘息などの発作を引き起こすおそれがあります。

該当する方は、歯科医師に相談の上でホワイトニングを検討しましょう。

ホワイトニングの効果が得られない人

ホワイトニングの施術は受けられるものの、効果がほとんど得られない方もいます。

・フッ素コーティングをしている人

フッ素コーティングは、歯質を丈夫にしたり、虫歯を予防したりするために行われる治療です。フッ素は歯の表面を保護するため、ホワイトニング剤が浸透しにくくなります。

・ホワイトスポットのある人

ホワイトスポットは、虫歯やエナメル質形成不全症などによって歯にできる白い斑点です。ホワイトニングを行うと、スポット部分だけが白くなり余計に目立ってしまう可能性があります。

・テトラサイクリン歯の人

テトラサイクリン歯は、抗生物質であるテトラサイクリンの服用により、褐色または灰色に変色した歯です。変色が進んだ歯はホワイトニングをしても色が戻りやすいため、半年~1年に1回程度のこまめなホワイトニングが必要です。

・失活歯がある人

失活歯は神経を抜いた歯で、時間の経過とともに黒く変色し、ホワイトニングをしても白くなりにくいのが特徴です。歯の内側にホワイトニング剤を詰める「ブリーチング」を行うか、被せ物を行うことで白くします。

・詰め物や被せ物が多い人

ホワイトニングは神経を抜いていない天然の歯のみに作用するため、被せ物や詰め物などには効果がありません。白くする場合は、ホワイトニング後に審美性の高い樹脂を詰め直すなどの方法がとられます。

ホワイトニングを受ける際の注意点

ここでは、ホワイトニングを受ける際の注意点を解説します。

しみる可能性がある歯を事前に保護してもらう

ホワイトニングを受ける前に歯科医師に相談し、しみる可能性のある歯に保護剤を塗布してもらいましょう。

ホワイトニングでしみる可能性が高い歯には、「亀裂が入っている」「エナメル質がすり減って象牙質が露出している」「虫歯がある」などの特徴があります。

ただし、保護剤を塗布した歯にはホワイトニングの薬剤が作用しないため、白くならない場合があることを理解しておきましょう。

施術中に痛みを感じたらすぐ伝える

施術中に歯茎に痛みを感じたら、担当の歯科医師に早めに伝えましょう。

ホワイトニング時は、歯茎をカバーする保護剤をつけてから薬剤を塗布するのが一般的です。しかし、歯茎の炎症などにより保護剤がうまくつかない場合や、歯や歯茎の形状の問題でカバーしにくい場合は痛みが出てしまうこともあります。

施術中は会話ができないため、手を挙げるなど痛みの伝え方をあらかじめ決めておくことが大切です。

まとめ

ホワイトニングをすると、歯がしみたり、歯茎に刺激をもたらしたりすることがあります。また、妊娠中または授乳中の方や、18歳未満の方はホワイトニングの施術が受けられません。

ホワイトニングを検討している方は、事前に歯科医師に相談し、施術が受けられるかどうかを確認しましょう。