臭い玉とは
臭い玉(扁桃結石)とは医学用語で「膿栓(のうせん)」と呼ばれ、扁桃腺のくぼみである陰窩(いんか)という溝に、食べ物のカスや細菌が溜まって固まったものです。「においだま」や「くさいだま」とも呼ばれており、大きさは通常5~6mm程度の白っぽい塊として現れます。
この塊は、食べかすや細菌、白血球などが混ざり合って形成されるため、独特の強い異臭を放ちます。扁桃腺を見たときに白っぽい小さな出来物が確認できる場合は、臭い玉である可能性が高いでしょう。

臭い玉があることによるデメリット
臭い玉があると、口内で強い悪臭が広がることがあります。これは、硫化水素やスカトールといった悪臭成分が多く含まれているためです。指でつぶしてしまうと、さらに強い臭いが発生することがあります。
また、乾燥する季節は特に注意が必要です。空気中の埃が口の中に入りやすくなり、これらが臭い玉に付着することで、臭いが強くなることがあります。
ただし、臭い玉自体は健康に大きな影響を与えるものではありません。通常、飲食や唾液の働きによって自然に胃の中に流れ込むため、過度に心配する必要はありません。
とはいえ、口臭の原因となることがあるため、気になる方は適切な方法で除去することをおすすめします。
そのほかの口臭の原因について知りたい方は、下記の記事もチェックしてみてください。
「口臭を改善したい!主な原因と今すぐ始められる改善策や予防策を紹介」

臭い玉の取り方
ここでは、臭い玉の取り方について詳しく紹介します。いずれの方法も過剰に行うと喉に負担がかかる可能性があるため、やりすぎないように注意しましょう。
うがいする
うがいは最も安全で手軽な臭い玉の除去方法です。特に「あー」「うー」と声を出しながら15秒間うがいをすることで、扁桃腺の中にある臭い玉を取り除く効果が期待できます。
また、緑茶でうがいをすると、お茶に含まれるカテキンの抗菌作用で、臭い玉の予防や除去に効果が期待できます。
咳やくしゃみをする
咳やくしゃみをした際に、自然と臭い玉が取れることがあります。これは、咳やくしゃみの際の強い気流で、扁桃腺のくぼみに溜まった臭い玉が押し出されるためです。
ただし、わざと咳やくしゃみを繰り返すのは避けましょう。過度な刺激により、喉の粘膜や鼻腔を傷つけてしまうおそれがあります。
喉にシャワーをあてる
シャワーの水流を適度な角度で喉に当てることで、臭い玉を除去できる場合があります。この方法は、扁桃腺のくぼみに詰まった臭い玉を水圧で押し出す効果が期待できます。ただし、強すぎる水圧は喉の粘膜を傷つけるおそれがあるため、優しい水圧で行うようにしましょう。
また、頻繁に行うことは避けてください。シャワーヘッドは清潔に保ち、水はぬるま湯を使用することをおすすめします。
綿棒やピンセットで取る
扁桃腺のくぼみの入り口付近にある目視できる臭い玉は、綿棒やピンセットで取り除くことが可能です。
しかし、綿棒などで強く押し出すと扁桃腺が傷つくおそれがあるため、注意が必要です。
特に、扁桃腺が腫れているときや喉の調子が悪いときは、絶対に行わないようにしましょう。
医療機関でとってもらう
臭い玉が気になる場合は、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。専門医に相談することで、臭い玉が溜まる根本的な原因(扁桃腺の形状や生活習慣など)を特定し、正しい対処法について詳しいアドバイスを受けることができます。
また、必要に応じて専用の器具を使用して安全に除去してもらうことも可能です。特に、頻繁に臭い玉ができる場合や、自己処理で改善が見られない場合は、早めの受診をおすすめします。

臭い玉の予防法
臭い玉は一度取り除いても、また発生する可能性があります。口の中の細菌や食べかすなどが原因で繰り返し発生するため、日常的な予防が重要です。
ここでは、臭い玉の予防法について紹介します。
こまめに水分補給をする
口腔内が乾燥すると、臭い玉の原因となる細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。特に、就寝中や長時間の仕事・作業時は唾液の分泌が減少し、口が乾燥しがちです。唾液の分泌を促せるよう、定期的な水分補給を心がけましょう。
また、カフェインを含む飲み物は利尿作用があり口腔内を乾燥させやすいため、水やお茶を中心に摂取することをおすすめします。
うがいをする
うがいは簡単で効果的な予防法です。食事の後や外出から帰宅した際にうがいをすることで、口の中の食べかすや細菌などを洗い流せます。
特に、就寝前のうがいは、夜間の臭い玉形成を防ぐのに効果的です。うがいの際は、ぶくぶくうがいと、がらがらうがいを組み合わせることで、より効果的に口腔内を清潔に保つことができます。
口腔内を清潔に保つ
臭い玉の予防には、歯垢(プラーク)や歯石、食べかすなどを、しっかりと取り除くことが不可欠です。毎日の丁寧な歯磨きに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯ブラシだけでは届かない部分の清掃も可能となります。
特に歯と歯茎の境目や、歯の裏側もしっかり磨くことが大切です。また、定期的に歯科検診とクリーニングを受けることで、より効果的な予防が期待できるでしょう。
鼻呼吸をする
口呼吸は空気中の細菌やウイルスを直接口腔内に取り込んでしまうため、臭い玉の形成リスクが高まります。一方、鼻呼吸では、鼻腔内の毛や粘膜が空気中の細菌やウイルスを取り除く効果があるため、体内への侵入を防いでくれます。
普段から意識的に鼻呼吸を心がけることで、口腔内への細菌の侵入を防ぐことが可能です。就寝時も口呼吸になりやすいため、必要に応じて医師に相談し、睡眠時の呼吸改善を図ることも検討しましょう。
食事はよく噛む
唾液には口腔内を清潔に保つ自浄作用があります。よく噛んで食事をすることで唾液の分泌が促され、口腔内の細菌や食べかすが洗い流されやすくなります。
また、しっかり噛むことで食べかすが細かくなり、扁桃腺のくぼみに詰まりにくくなるため、臭い玉の予防に効果的です。
夜遅い食事は唾液の分泌が少なくなる就寝前の時間帯と重なるため、できるだけ避けることをおすすめします。

まとめ
扁桃腺のくぼみに形成される臭い玉は、食べかすや細菌が固まった膿栓で、強い口臭の原因となります。うがいやシャワー、医療機関での除去など、さまざまな対処法がありますが、過度な刺激は喉に負担をかける可能性があるため注意が必要です。
予防には、こまめな水分補給、丁寧な歯磨き、鼻呼吸の心がけなど、日常的なケアが効果的です。特に、うがいと食事の際のよく噛む習慣は、唾液の分泌を促し、口腔内を清潔に保つ重要なポイントとなります。気になる症状がある方は、耳鼻咽喉科での相談をおすすめします。口腔ケアを見直して、爽やかな毎日を過ごしましょう。