歯の色が変わるのはなぜ?色・状態別5つの原因と対処法

誰もが白くて美しい歯をキープしたいと感じているものの、いつの間にか黄ばんだり、茶色や黒に変色したりしていることがありますよね。歯の色が変わるのはどうしてなのでしょうか? 本記事では、歯の色が変わる原因と対処法を紹介します。


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歯の色が変わるのはなぜ?考えられる5つの原因

歯の色が変わる原因は大きく5つあります。それぞれの原因について解説しますので、自分の歯の色が気になる方は確認してみましょう。

【着色汚れ】茶色くなる

歯にステイン(着色汚れ)が付着し、歯の色が変わる原因となることがあります。ステインが付着する原因となるのは、色素の濃い食べ物や飲み物です。

とくに、ポリフェノールが多く含まれる食べ物や飲み物は、ステインの原因となりやすいです。例えば、コーヒーや紅茶、烏龍茶などのタンニンやカテキン、赤ワインやチョコレートなどです。また、タバコのヤニも歯に付着すると、茶色くなります。

これらステインの原因となる飲食物をよく口にしている方、また喫煙の習慣がある方で、歯の色が気になる場合は、着色汚れが原因と考えられます。

【加齢】黄ばむ

歯が黄色く変色しているなら、加齢が原因の可能性があります。歳を重ねることで、歯のエナメル質の内側にある象牙質が厚みを増し、象牙質の黄色がエナメル質から透けて見えることがあります。

エナメル質は半透明で、年齢を重ねるにつれて徐々に薄くなることがわかっています。象牙質が厚みを増す一方でエナメル質が薄くなっていくことから余計に象牙質の色味が透けやすくなり、歯が黄色く見えるのです。

【虫歯や虫歯の治療後】一部が茶色・黒くなる

虫歯があると、歯の表面が溶けて一部が茶色または黒くなります。

また、虫歯の治療をした歯も、白い詰め物が経年劣化で変色することがあります。虫歯治療に使用される白い詰め物は、コンポットレジンというプラスチックの詰め物で、天然歯に近い色調に仕上がるのが特徴です。

違和感のない自然な仕上がりになるものの、経年劣化を起こしやすく、徐々に茶色く変色することがあります。コンポットレジンと歯の隙間にステインが入り込むこともあり、この場合、歯をていねいに磨いても、なかなか落とすことができません。

【歯の神経が死んでいる】1本だけ茶色・黒くなる

虫歯治療で神経を抜いた歯や、強い衝撃を受けて神経が死んでしまった歯は、歯の色が茶色や黒に変わることがあります。

これら神経を失った歯は「失活歯」と呼びますが、神経を失ってすぐは歯の見た目に特に変化がありません。しかし、月日が経つにつれて徐々に歯の変色が起こります。

神経を失うと、その部分の血液循環がなくなり、象牙質のコラーゲンなどが古くなって変色を起こすため、象牙質の色が濃くなってしまいます。

歯の1本だけが茶色や黒に変色しているなら、歯の神経によるものなのかもしれません。

【テトラサイクリン歯】グレー・縞模様になる

歯の色がグレーや縞模様に変わっているなら、テトラサイクリン歯なのかもしれません。

テトラサイクリン歯とは、歯の形成期である0~12歳ごろにテトラサイクリン系抗生物質を大量に摂取することで歯の変色が起きることをいいます。

テトラサイクリン系抗生物質には蛍光粒子が含まれており、それが歯の中に取り込まれて象牙質のカルシウムと結合し、色素沈着が起きてしまうのが歯の変色の原因です。また、テトラサイクリン歯には、紫外線に当たると次第に色が濃くなって目立つようになる性質があります。

過去には、テトラサイクリン系抗生物質が多用されていた時期がありました。しかし、歯の変色が確認されたことで、最近では12歳までの子どもへの処方は極力控えるようになってきています。

変わってしまった歯の色を元に戻すには?

変わってしまった歯の色を元に戻すための方法は、変色の原因によって異なります。原因別に対処方法を紹介します。

【着色汚れの場合】歯のクリーニングをする

着色汚れの場合、歯科医院で歯のクリーニングを受けると、歯本来の白さを取り戻せます。歯科医院では、通常の歯磨きではなかなか落とせないステインや歯石を、超音波や専用の器具を使って落としていきます。

クリーニングをした後の歯は本来の白さを取り戻せますし、虫歯や歯周病の予防にもつながるのがメリットです。

ただし、歯科医院で着色汚れを落としても、しばらくすると飲食物の色素が付着して、再度歯の色が変わることがほとんどです。歯の白さをキープするためにも、また歯の健康のためにも定期的にクリーニングを受けると良いでしょう。

【加齢の場合】ホワイトニングをする

加齢による歯の変色は、表面に色素が沈着しているのではなく、歯そのものが黄ばんでいます。そのため、歯のクリーニングを行っても歯を白くすることはできません。

加齢による歯の黄ばみには、ホワイトニングがおすすめです。ホワイトニングでは歯そのものを白くすることができます。

ホワイトニングには、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」、マウスピースを作ってもらって自宅で行う「ホームホワイトニング」があります。両方を併用する「デュアルホワイトニング」、また美容サロンなどで行う「セルフホワイトニング」もあるので、費用や効果を考慮して自分に合ったものを選びましょう。

【虫歯や虫歯の治療後の場合】治療をする・詰め物を新しくする

歯の変色の原因が虫歯にある場合は、早めに虫歯治療を行いましょう。そうすることで、歯の変色を改善できます。

もしも虫歯治療後の詰め物や被せ物に変色が見られる場合は、ホワイトニングを行っても元の白さに戻すことはできません。歯科医院で詰め物や被せ物を新しくすることで、白くすることができます。

【歯の神経が死んでいる場合】ラミネートベニア・ウォーキングブリーチをする

神経が死んでしまった歯は耐久性が落ちるため、歯が割れないように被せ物をすることが多いです。金属の被せ物に抵抗がある場合は、セラミックなどを被せると天然歯と同じくらいの色にすることができます。

ほかには、歯の表面を薄く削り、白のセラミックやプラスチックの薄い板を貼り付けるラミネートベニアという方法もあります。また、歯の内部にホワイトニング剤を入れて変色した象牙質を白くするウォーキングブリーチといった選択肢もあるので、歯科医師に相談しつつ良い方法を選ぶと良いでしょう。

【テトラサイクリン歯の場合】ホワイトニング・ラミネートベニアをする

テトラサイクリン歯の場合は、変色の程度によっておすすめの対処法が異なります。

歯の変色が軽度~中程度であれば、ホワイトニングで改善が期待できます。変色が黄色~オレンジ、淡い茶色くらいであれば、ホワイトニングでの対策を検討すると良いでしょう。

ただし、歯の色がグレーや黒など重度の変色が起きているなら、ホワイトニングでの改善は期待できません。この場合、歯の表面を薄く削って白いセラミックやプラスチックの板を貼り付けるラミネートベニアがおすすめです。

まとめ

歯の色が変わると、顔全体の印象が変わります。変色が気になる場合は、まずは原因を見極めて、それに応じた対処法を試すことをおすすめします。