歯のトリートメントって何?
歯の健康や美しさを維持するためには、虫歯治療だけでなく、歯のクリーニングやトリートメント、ホワイトニングなど、さまざまな方法があります。
ここでは、歯のトリートメントとはどんなものなのかみていきましょう。
歯のトリートメントとは
歯のトリートメントとは、専用のトリートメントペーストを使用して行う歯面のケアのことです。歯科医院のほか、セルフケアでも簡単にできる方法です。「トリートメント」という言葉は、ヘアケアによく使われますよね。髪の毛の内部に栄養分を浸透させて、髪のダメージを補修する役割があるものです。
ヘアケアに使われるトリートメントと同様に、歯も専用のトリートメントペーストを使うことで表面のキズをケアすることができます。セルフケアとして使用する場合は、ヒドロキシアパタイトなど、エナメル質表面の傷を修復する効果がある成分を配合しているものがおすすめです。
歯は硬い食べ物を砕けるくらい強いものの、実はとてもデリケートで、少しの刺激でキズがつきやすいのをご存じでしょうか。
例えば、硬めの歯ブラシで歯を磨いたり、歯を磨くときに力を入れすぎたりすると、歯の表面にキズがついてしまいます。また、歯磨き粉に入っている研磨剤も歯の表面に細かなキズをつける原因となるので注意が必要です。
歯のキズを放置しておいても、すぐには大きな変化はみられません。しかし、キズがあることで歯の表面に歯垢や着色汚れがつきやすくなるため、適切なケアをしないと歯が黄ばんだり、虫歯になりやすくなったりします。
歯のトリートメントでは、歯のキズを埋めて歯の表面を滑らかにすることができます。また、虫歯や口臭、歯石の沈着を防げるなどのキズによる悪い影響を抑えることができるのがメリットがありまです。
他のケア用品との違い
歯のトリートメントのほかに、薬剤などを使った歯のケアはいくつかあります。例えば、フッ素やホワイトニングなどがそうです。
ここでは、フッ素やホワイトニングと歯のトリートメントの違いについて解説します。
虫歯予防のフッ素との違い
フッ素塗布は、虫歯予防の代表的な処置として知られています。歯のカルシウムが酸によって溶けることを脱灰(だっかい)と呼びますが、フッ素にはそれを修復する働き、つまり歯の再石灰化を促す働きがあります。
フッ素は、歯が脱灰した上部からの再石灰化を促すものです。それに対して歯のトリートメントは、歯とほぼ同じ成分で脱灰した部分の深部から再石灰化を促します。また、直接歯に作用して、歯の表面のキズを埋める再結晶化を行う働きもあります。
ホワイトニングとの違い
歯のホワイトニングは、見た目の美しさを向上させる目的で歯を白くするためのケアです。歯が白いと、それだけで清潔感が増しますし、顔の印象も明るくなります。そのため、歯の黄ばみが気になる方や美しい歯を維持したい方などに人気のあるケアです。
歯のトリートメントは、口内環境を整え、健康や美容をサポートする目的で行われるものです。歯の再石灰化や再結晶化を進めて歯の健康維持を促すだけでなく、歯のキズを埋めて滑らかにするため、ツルツルとしたきれいな歯に近づけます。
見た目の美しさを向上させることが主な目的ではないとはいえ、見た目の印象アップにつながるのが歯のトリートメントのメリットといえるでしょう。
こんな悩みには歯のトリートメントがおすすめ
ここまで歯のトリートメントとはどういうケアなのか、行うことのメリットについて紹介しました。また、フッ素塗布や歯のホワイトニングとの違いについても理解していただけたかと思います。
ここからは、歯のトリートメントのメリットや特徴について知った上で、どんな人におすすめなのか紹介しますので、受けるかどうか迷っている方は参考にしてみてください。
歯面をつややかにしたい方に
歯のトリートメントを受けると、歯のキズを埋めて歯の表面を滑らかにするので、歯のツルツル感が実感できます。歯の表面が滑らかでないと、触ったときに歯がざらつくことがありますし、何だか口の中がスッキリしないと感じる人もいるのではないでしょうか。
トリートメントを受けて歯がツルツルになると気分が良いですし、見た目もつややかになるため歯に自信がもてるようになります。そのため、一度歯のトリートメントを受けると、その後も「定期的に受けたい」「頑張って維持したい」と考える人は多いです。
また、歯のトリートメントでは歯のキズを修復することができるため、歯をつややかにするだけでなく、歯自体も強くなります。虫歯になりやすい方や歯の健康を維持したい方にとっても、歯のトリートメントを受けるメリットは大きいといえるでしょう。
ステインが付着しやすい方に
歯にステイン(着色汚れ)が付着して、歯の黄ばみや黒ずみなどが気になる方にも歯のトリートメントはおすすめです。
気を付けて歯磨きをしていても、食べ物や飲み物の色素やタバコのヤニなど、さまざまな要因によってステインが歯に付着することはあります。特に歯の表面にキズがあると、ステインが付着しやすくなるものです。
また、ストレスや病気、薬の副作用などによって唾液の分泌量が減少し、ドライマウスになっている方、口呼吸がクセになっている方も注意しましょう。唾液には歯の汚れを洗い流す作用があるため、口の中が乾燥状態にあると、ステインがつきやすくなるからです。
歯のトリートメントを受けると、歯の表面が滑らかになるため、汚れや着色がつきにくくなり、歯に透明感のある白さや輝きが出ます。また、仮に歯に汚れがついたとしても、歯磨きのときに落ちやすくなるのもメリットです。
そのため、ステインがつきやすい方は、定期的に歯のトリートメントを受けると、歯の美しさを維持できるでしょう。
このように、歯のトリートメントは、歯の表面をつややかにしたい方、ステインの付着を防いできれいな歯を維持したい方におすすめです。
歯を白くしたい、歯を健康にしたいと考えている方は、トリートメント以外のケアも検討してみてはいかがでしょうか。ホームホワイトニングや、ホワイトニング効果が期待できる歯磨き粉を使用すると、白くてきれいな歯を手軽に維持できます。
ホワイトニングの種類については、こちらの記事をご覧ください。
「【監修】ホワイトニングの種類について知りたい!気になる費用は?」
まとめ
歯のトリートメントには、歯のキズを埋めて歯の表面を滑らかにする、歯の深部から再石灰化を促す、歯の再結晶かを行うなどのメリットがあります。
歯のトリートメントを受けると健康や美容の維持にも役立つため、ステインが付着しやすい方、歯の表面をつややかにしたい方は、歯科医院で相談してみてはいかがでしょうか。