虫歯があるとホワイトニングはできない?歯を白くするには

「歯を白くしたいものの、虫歯がある場合はホワイトニングをしても大丈夫なのか?」と思った人はいるのではないでしょうか。もし虫歯があるなら、まずは虫歯の治療を行い、その後にホワイトニングをするのがおすすめです。 この記事では、虫歯治療後にホワイトニングをすべき理由と、虫歯治療後の歯でホワイトニングの効果がでにくいケース、おすすめのホワイトニング方法について解説します。


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ホワイトニングは虫歯治療後にすることが一般的

なぜ虫歯の治療をしてから、ホワイトニングを行うべきなのでしょうか。

その理由は以下のとおりです。

ホワイトニング中に虫歯が進行するおそれがあるから

ホワイトニングと虫歯治療は同時進行で行うことができません。一般的には虫歯治療を先に済ませてからホワイトニングを行います。

なぜなら、ホワイトニングは理想の白さになるまでにしばらくの期間が必要になるため、その間に虫歯が進行してしまうおそれがあるからです。

ホワイトニングにかかる期間は、オフィスホワイトニングだと3~5回(1~2ヶ月)、ホームホワイトニングだと1~3ヶ月が目安です。効果の現れ方には個人差があり、目標とする歯の白さによって必要とされるホワイトニングの回数・期間は異なるので、場合によってはもっとかかることもあるでしょう。

そのため、まず虫歯治療を行い、その後ホワイトニングを行うほうが良いとされているのです。

ホワイトニングジェルがしみるおそれがあるから

歯科医院で行うオフィスホワイトニングや、自宅で行うホームホワイトニングのホワイトニングジェルは、漂白作用が強く歯にしみやすい薬剤を使用します。

虫歯の影響で神経や歯茎に炎症が起きていると、ホワイトニングジェルが強くしみたり、痛みを感じたりすることがあります。その結果、ホワイトニングを続けるのが難しいといった事態になりかねません。

詰め物が剥がれるおそれがあるから

虫歯が進行すると、歯を削って歯の根の治療を行うことになりますが、歯の根の治療は複数回にわたって行うのが一般的で、1回で治療が終わることはほぼありません。

そのため、次の治療までは歯を削った部分に、仮ぶたを(仮詰め)して保護することになります。ホワイトニング期間中に、虫歯治療を平行して行うと、ホワイトニングの薬剤が詰め物を剥がしてしまうおそれがあります。

虫歯治療後にホワイトニングをする際の注意点

虫歯治療後にホワイトニングをしたものの、「治療済みの歯が白くならなかった」「ほかの歯と色ムラができた」ということがあります。

虫歯治療後にホワイトニングをする際、気をつけたい点を紹介します。

詰め物や被せ物にはホワイトニング効果がない

ホワイトニングの効果が出るのは原則として天然歯だけで、詰め物や被せ物、人工歯は白くなりません。そのため、虫歯の治療後にホワイトニングをする場合、詰め物や被せ物とホワイトニング後の歯の色に、違和感が生じるおそれがあります。

このような事態を避けるためには、虫歯治療の際にあらかじめホワイトニングをする予定であることを伝えておくようおすすめします。

そうすれば、詰め物や被せ物の色の明るさを変える、被せ物の素材をセラミックにするなどの対処が可能です。

重度の虫歯治療後はホワイトニング効果が出にくい

虫歯が進行して神経にまで達していた場合、根管治療(歯の神経の治療)が必要ですが、根管治療で神経を抜くと歯が徐々に褐色~黒色に変色することがあります。

血管が通っている神経を取ることで血液の循環が悪くなり、古いコラーゲン物質が歯の象牙質内の細い管に沈着し、それが変色してしまうからです。

神経を抜いたことで変色した歯は、歯の内側にも影響が出ます。そのため、オフィスホワイトニングやホームホワイトニングなどで歯の表面を白くしても、白くなることはほとんどありません。

虫歯治療後におすすめのホワイトニング方法

重度の虫歯のために神経を抜いた歯は、一般的なホワイトニングでは白くするのは難しくなります。

しかし、以下のような方法で白くすることはできるので、歯科医に相談しつつ適切な方法を選びましょう。

ウォーキングブリーチ

ホワイトニングの薬剤を歯の内側に入れて、歯を白くする方法です。

根管治療では歯の神経の部分の管を掃除した後に薬剤を充填しますが、ウォーキングブリーチではその薬剤を抜いて、代わりにホワイトニング薬剤を入れます。そうすることで、中に入れたホワイトニング剤が少しずつ着色成分を分解し、変色した歯を徐々に白くします。

歯の中に入れた薬剤は1~2週間ごとに交換し、数回の治療で歯が白くなったら元の薬剤に戻します。

インターナルブリーチ

施術自体はウォーキングブリーチと同じく、ホワイトニング薬剤を歯の内側に入れて歯を白くする方法です。

ただし、ウォーキングブリーチでは治療期間中、歯に漂白剤を入れたままにするのに対し、インターナルブリーチは医院内にいるときのみ漂白剤を入れます。

1回の施術で理想の白さになることはほぼなく、ウォーキングブリーチと同様に複数回通院して理想の白さに近づけていくのが一般的です。

ウォーキングブリーチと比較して、歯への負担が軽減できますが、ホワイトニング効果が小さいのがデメリットです。

セラミックの被せ物をする

歯を削って、セラミックの被せ物をすることで歯を白く見せることもできます。セラミックの被せ物をするメリットは、ウォーキングブリーチなどで対応できない歯でも簡単に白くできることです。

また、歯の大きさや形を変えることができるので、隣の歯とのバランスを考えて形を決めることができるほか、時間が経っても色が変わらないといった点が挙げられます。

歯のクリーニングを受ける

歯の表面の汚れが気になるなら、歯科医院でクリーニングをしましょう。

歯のクリーニングでは歯垢や着色汚れの原因となるステインが除去できるので、歯本来の白さに近づけることができます。

また、普段の歯磨きでは落とせない歯垢や、歯石をしっかりと除去することで、虫歯や歯周病予防につながるのもメリットです。

まとめ

歯の黄ばみや黒ずみは、普段の歯磨きで落とすのは難しいですが、ホワイトニングをすると、納得のいく白さに近づけることができます。

しかし、虫歯がある場合は、治療をせずにそのままホワイトニングをすると、虫歯が進行するおそれがあります。しっかり虫歯を治療してから、ホワイトニングの施術を受けましょう。